「かぶせ釣り」という言葉、聞いたことはありますか?これは広島県を発祥とする、瀬戸内ならではの伝統釣法です。カキの養殖が盛んな瀬戸内海だからこそ生まれた釣り方で、殻付きのカキをエサに、堤防の際からチヌを狙います。シンプルな仕掛けで大物が狙えると、地元釣り師に長く愛されてきました。
ミケ丸は釣り歴20年ですが、かぶせ釣りは比較的最近始めた釣法です。それでも始めてすぐにフカセ釣りより大型のチヌが釣れてびっくりしました。40cm前後のチヌが当たり前に釣れる、それがかぶせ釣りの魅力です。今回は入門から実際に使えるコツまで丸ごとご紹介します。

🎬 動画でもわかりやすく解説しています!
ミケ丸チャンネルの「かぶせ釣り入門シリーズ」もあわせてご覧ください。
かぶせ釣りとは?瀬戸内生まれの伝統釣法
かぶせ釣りは、広島県の竹原・三原エリアを中心に50年以上の歴史を持つ釣法です。名前の由来は「カキをかぶせるように落とし込む」動作から。その最大の特徴は、オモリを使わないこと。道糸・ハリス・針・エサ(カキ)だけという極めてシンプルな仕掛けで、カキ自体の重さだけで仕掛けを沈めていきます。
カキ養殖漁場が多い瀬戸内海では、チヌがカキを主食としているため、この釣り方が非常に有効です。堤防の岸壁際に沿って仕掛けをゆっくり落とし込み、魚のアタリを待つ――シンプルだからこそ奥深い釣りとして、今なお多くのファンがいます。
狙える魚種
- クロダイ(チヌ):かぶせ釣りの代表的ターゲット。40〜50cmクラスも十分狙える。フカセ釣りより大型が出やすいのが特徴
- コブダイ(ハンマーヘッド):瀬戸内ではコブダイ専門のかぶせ師も多い。ミケ丸は小型しか経験がないが、大物の話はよく聞く
- フグ・ウマヅラハギ:いわゆる外道として頻繁に登場する。特にフグは針を切られることがあるので注意。仕掛けを確認する習慣をつけよう
かぶせ釣りの仕掛けと必要なタックル
仕掛けがシンプルな分、タックル選びも迷いにくいのが嬉しいポイントです。基本的な構成を覚えれば、初心者でもすぐに始められます。

竿(ロッド)
長さは2〜2.4m程度の短竿が基本。落とし込み釣り用やヘチ竿が適しています。穂先の感度が命です——アタリは穂先で取るので、感度が低い竿だとアタリに気づかず釣果が激減します。遠投は不要なので短めの竿が扱いやすく、堤防の際に沿わせる操作性が大切です。
ライン・ハリス
道糸はナイロンが基本。チヌやコブダイの引きに対応するためと、岩やカキ殻でラインが傷みやすい環境に対応するためです。ハリスはノーシンカー(オモリなし)のまま使います。
針
針の銘柄にはそれほどこだわらなくても大丈夫です。カキをしっかり刺して落とせる強度があれば十分。釣具店にあるものを使っています。
エサ(殻付きカキ)
かぶせ釣りの命はエサの殻付きカキ。カキの殻を少し割って中身を見せながら針に刺し、砕いたカキ殻をコマセとして撒きながら釣ります。詳しい入手方法・割り方・針の付け方はカキ完全ガイドを参照してください。
かぶせ釣りの釣り方・基本の手順
釣り方は落とし込み釣りに近く、堤防の壁際に仕掛けを落とすのが基本です。以下の手順を覚えれば、初めてでもチャレンジできます。
①コマセを撒く
まず砕いたカキ殻を堤防の際に数個パラパラと撒きます。カキの香りと破片が水中に漂い、魚を寄せるコマセとして機能します。地元のかぶせ師はこれを「コカシ」と呼ぶこともあります。
②仕掛けを壁際に落とす
針にカキを刺したら、リールをフリーにしてエサを手で持ち、堤防の壁ギリギリにそのまま落とします。オモリなしのため、カキが自然な速さでゆっくり沈んでいきます。壁スレスレを狙うのがコツで、少し離れただけでアタリが減ります。
③アタリを感じ取る(これが最も難しい)
道糸のラインフケを一定に保ちながら、アタリを待ちます。アタリは「ラインがスッと走る」「道糸が止まる」「竿先がモゾモゾする」などさまざま。波のリズム以外の動きがあれば反応するのがコツです。
迷ったら合わせる——これが鉄則です。エサだけ取られて何も掛かっていなかった経験は数えきれないほどあります。最初のうちは「これはアタリか?」と迷うことが多いですが、その迷いがかぶせ釣りで最も難しく、最も面白い部分でもあります。
④ポイントを変えながら探る
落としてみて流れを確認してから判断するのが実際のところです。多少流れている方がアタリが多い印象があります。流れが速すぎる時は竿を落とす位置を変えたり、エサを大きめにしたりして対応します。反応がなければ少しずつ場所を移動して探りましょう。
釣れる時間帯

ミケ丸の経験では、朝一〜10時半頃が圧倒的によく釣れます。昼過ぎになるとアタリが急に減る。10時半〜11時を目安に納竿するのがちょうどいいです。「朝マズメ・夕マズメ」という一般的な釣りの常識が当てはまらないのがかぶせ釣りの面白いところ。夕方から行っても釣れないことが多いので、早起きして朝一番から釣るのが正解です。
春のかぶせ釣りポイント選びのコツ
- まず落としてみて流れを確認する。多少流れているくらいが釣れやすい
- 水深のある堤防の際を選ぶ(足場から水面まで2m以上あると安定して探れる)
- カキ養殖棚の近くは魚が集まりやすい
- 流れが速すぎる場合は落とす位置を変えるか、エサを大きめにして対応
安全面について――落水の実体験から
安全については特に強調したいことがあります。ミケ丸は実際に釣り場で足を滑らせて落水したことがあります。浅い場所だったため大事には至りませんでしたが、あの瞬間は本当に焦りました。ライフジャケットを着用していたおかげで、水中でも不安なく過ごすことができました。
かぶせ釣りを始めるのに必要な道具まとめ
改めてかぶせ釣りに必要な道具をシンプルにまとめます。初期投資が少ない点も、この釣りの魅力のひとつです。
- 竿:落とし込み竿・ヘチ竿(2〜2.4m)穂先の感度重視
- リール:小型スピニング(安価なものでOK)
- 道糸:ナイロン
- 針:こだわりすぎなくてOK。釣具店にあるものを使う
- エサ:殻付きカキ
- ライフジャケット(必須!)
まとめ:瀬戸内の伝統釣法でチヌを狙おう
かぶせ釣りは、余計な道具が要らずシンプルな仕掛けで大物が狙える、瀬戸内ならではの奥深い釣りです。ミケ丸自身は釣り歴20年ですが、かぶせ釣りは比較的最近始めた釣法。それでも始めてすぐに40cm前後のチヌが釣れました。アタリの取り方さえコツをつかめば、初心者でも大型チヌとの勝負を楽しめます。
朝一番に堤防に立って、カキを落として、穂先に神経を集中させて待つ——あの緊張感がたまりません。ぜひ瀬戸内の堤防でチヌとの勝負を楽しんでみてください!

コメント