11月のサゴシ(サワラの若魚)を岸から狙うなら、港に着く時間でほとんど決まります。ぼくの答えは「暗いうちに港へ」です。
11月のサゴシは、港に住んでいる魚ではありません。そとの海へ出ていく途中の「通り過ぎる魚」です。そして、エサのカタクチイワシの群れは、夜にほどけて、夜明けの前に集まり直します。
この記事は、YouTube「ミケ丸チャンネル」の動画を文章にしたものです。研究で分かっていることには研究あり、そこから先のぼくの考えにはぼくの読みと印をつけて、分けて書きます。
先に結論
- 11月のサゴシは、そとの海へ出ていく途中の魚。岸から狙えるのは、11月がほぼ最後
- この一年でいちばん大きいのも11月(紀伊水道の調査で約46cm)
- エサのイワシは夜にほどけ、夜明け前に集まり直す。ねらいめは明るくなる前後
- 立つのは港の奥より、潮が通る堤防の先端や外側。夕方の港も十分あり
① サワラは4月に入り、11月頃にそとの海へ出る
研究あり
瀬戸内海のサワラは、4月に瀬戸内海へ入ってきます。そして水温が下がる11月頃、そとの海へ出ていきます。水産庁の資料にそう書かれています。
秋に港で釣れるサゴシは、その年に生まれた子と、1歳の子です。つまり、出ていく途中の魚を、ぼくたちは岸から狙っていることになります。

② 11月が、この一年でいちばん大きい
研究あり
その年に生まれた子の大きさを、和歌山県の水産試験場が紀伊水道で調べています。
| 月 | 全長 |
|---|---|
| 9月 | 約38cm |
| 10月 | 約44cm |
| 11月 | 約46cm |
岸から狙える期間のなかで、11月がいちばん大きい。数は減っても、行く理由はあります。なお、これは紀伊水道の値で、広島湾で測った値ではありません。

③ 冬に釣れるサワラは、別の群れ
研究あり
「12月や冬にもサワラは釣れているよ」という話を聞きます。それは、紀伊水道・豊後水道・伊予灘あたりで冬を越す群れです。広島湾の奥の港に寄る魚とは、別の群れと考えたほうがよさそうです。
だから、湾の奥の港で岸から狙えるのは、11月がほぼ最後になります。

④ エサのカタクチイワシも、同じ秋に出ていく
研究あり
サゴシが追うカタクチイワシは、夏から秋に生まれて、半年で約9cmになります。そして同じ秋に、多くがそとの海へ出ていきます(一部は瀬戸内海に残ると考えられています)。
11月の港で「きのうは居たのに、きょうは居ない」が起きるのは、ふつうのことです。

⑤ イワシの群れは、夜にほどけて、夜明け前に集まり直す
研究あり
ヨーロッパの近い仲間(ヨーロッパカタクチイワシ)を、魚群探知機で一日じゅう追った研究があります。夜は群れがほどけて散り、夜明けの前に浅い層で集まり直し、明るくなると深いほうへ移る、という結果でした。

ぼくの読み
ここから先は、ぼくの読みです。群れは、イワシが身を守る形です。固まってしまう前の「集まり直す途中」が、サゴシにとって食べやすい時間ではないか。つまり、ねらいめは明るくなる前後だと考えています。
瀬戸内の港で調べた研究は見つかりませんでした。昼に釣れない、という意味でもありません。いちばん食いやすい時間が、明るくなる前後にある、という話です。

⑥ 暗いうちの常夜灯は、イワシがいる港かを見られる短い窓
研究あり
カタクチイワシには、光に寄る性質があります。そして空が明るくなり始めると、灯りから離れます。漁の現場でも使われている性質です。
だから、暗いうちの常夜灯の下は、「この港にイワシがいるか」を自分の目で見られる、短い窓になります。

ぼくの読み
灯りの下に見えなくても、すぐには動きません。明暗の境目の底や、港の外の坂についていることがあるからです。港を変えるなら、朝のいちばん食う時間が過ぎてからにしています。

⑦ 立つ場所は、潮が通る先端と外側
ぼくの読み
通り過ぎる魚を待つなら、港の奥より、潮が通る堤防の先端や外側です。そこで夜明けを待ちます。これは経験則と、ぼくの読みです。

夕方の港も、十分あり
暗いうちだけが答えではありません。2026年11月1日、ぼくは広島湾で船からサワラを狙いました。船長が1匹掛けましたが、ぼくは釣れませんでした。この日は朝と夕方にナブラが湧いた日で、船長の仲間うちの話では、夕方のほうがナブラが多く、よく釣れていたそうです。
朝に行けない日は、夕方の港へ。これも十分ありです。
🐈 ミケ丸の一言
11月は「通り過ぎる魚」を待つ釣りです。居ない日があって当たり前。だけど、いちばん大きいのも11月。暗いうちに着いて、灯りの下を一度のぞく。それだけで、その朝の見通しがだいぶ変わります。これは、ひとつの考え方です。
暗い堤防での約束
- ライフジャケットとヘッドライトを必ず着ける
- ヘッドライトは足元に向ける。海面は照らさない
- 先端や外側は足場をよく見て、無理をしない
この釣りで用意するもの
🎣 暗い堤防でサゴシを待つときの持ち物
特定の商品をすすめるものではありません。種類の目安として、探すときの入口に使ってください。
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竿とリールは、ぼくが実際に使っているものだけをマイタックルで紹介しています。
補足
- サワラのエサは、水産庁の資料でカタクチイワシやイカナゴが重要とされています。紀伊水道で胃の中を調べた調査ではタチウオが多く、海域によって変わります。広島湾で秋に調べた調査は見つからなかったので、カタクチイワシを中心に話しているのは、資料と現場の経験からのぼくの読みです。
- 図の動きや線は見本で、測定ではありません。
- ルアーの光らせ方と大きさは、青物の回の動画で扱っています。
参考にした資料
- 水産庁 瀬戸内海広域漁業調整委員会 参考資料(サワラ・カタクチイワシ瀬戸内海系群)…①③④
- 和歌山県農林水産試験場 水産試験場(平成23年)「大型肉食魚サワラが食べているもの」…②
- 水産研究・教育機構 令和4年度 サワラ瀬戸内海系群 資源評価説明資料…①
- Tsagarakis ほか (2012) Marine Ecology Progress Series 446: 243–258…⑤
- 高知県水産試験場「餌料用カタクチイワシの安定供給システムの実証化」…⑥
- 島根県 松江水産事務所「いわしすくい網の漁業技術研修」…⑥
- 地図:国土地理院 地理院タイル(標高タイル)をもとに作成
瀬戸内で釣りをする夫婦(釣り歴20年)が、実際の釣行と公開されている研究資料をもとに作っています。図は動画のために作ったもので、解説イラストと図解の一部にAI技術を使用しています。釣りは状況で答えが変わります。ここに書いたのは、ひとつの考え方です。

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